ブラックリスト (絶対禁止のクスリ)
以下に挙げる分類・出所の薬剤は、トランス女性のホルモン療法(HRT)において、地球上のいかなる状況下でも「絶対に」使用してはなりません。これらの薬剤が持つ致死的なリスクは、胸が大きくなる等のいかなる理論上のメリットをも暴力的に上回ります。たとえあなたが経済的な理由でまともなクリニックから完全に排除され、個人輸入(DIY)しか手段が残されていないとしても、これらの「安価な代替品」に手を出すことは、永久的で取り返しのつかない臓器破壊や突然死を引き起こします。
| 禁止されている薬剤 | 最大の危険性(コア・デンジャー) | 危険度レベル |
|---|---|---|
| エチニルエストラジオール (EE) | 血栓症(VTE)のリスクが、天然のエストロゲンの「6〜20倍」に跳ね上がります。 | 絶対禁止 (極めて致死的) |
| 結合型エストロゲン (プレマリン等) | 馬の尿から抽出されており、心血管および血栓リスクが壊滅的です。 | 絶対禁止 |
| メドロキシプロゲステロン酢酸エステル (MPA / プロベラ) | 乳がんや心筋梗塞のリスクを飛躍的に増加させます。 | 絶対禁止 |
| 動物用・家畜用ホルモン剤 | 用量が人間向けの比ではなく、不純物だらけで非滅菌です。 | 絶対禁止 |
| 自家製 (ホームブリュー) DIY注射 | キッチンのまな板の上で作ったオイルを打つことによる、敗血症(死)の恐怖。 | 絶対禁止 |
エチニルエストラジオール (EE) / ダイアン35 などのピル
Section titled “エチニルエストラジオール (EE) / ダイアン35 などのピル”「避妊ピル」はHRTではありません
Section titled “「避妊ピル」はHRTではありません”タイ等の薬局や日本の個人輸入サイトで安価に買える「ダイアン35 (Diane-35)」や「スーシー (Sucee)」には、35 μg の「EE (エチニルエストラジオール)」に加えて、2 mg の「CPA (黄体ホルモン兼ブロッカー)」が含まれています。お金のない若いDIYユーザーは、「これ1錠で女性化もできてブロッカーも入っている、究極のコスパ最強HRTピルだ!」という妄想・都市伝説を信じてこれをガブ飲みします。それは致命的な勘違いです。
- CPA という薬自体が、元々血をドロドロにする(凝固を促進する)性質を持っています。そこに、致死的な凝固作用を持つ EE を掛け合わせる(スタックする)ことは、まさに「死のリスクを指数関数的に倍増させる」行為そのものです。
- さらに、これの「女性化(胸を大きくしたり肌を綺麗にしたりする)パワー」は、プロギノバ等の真っ当なHRT用の薬に比べて遥かに「弱い」ものです。命を賭けて得られるものが少なすぎます。
もし今これを読んでいるあなたが「ダイアン35」や「ピル」を飲んでいるなら
Section titled “もし今これを読んでいるあなたが「ダイアン35」や「ピル」を飲んでいるなら”今すぐゴミ箱に捨てて、純粋な「天然型エストラジオール (プロギノバ / エストロフェム等)」に切り替えてください。そして、ブロッカー (CPAの12.5mgカットや、スピロノラクトン等) を「別々の薬」として独立して購入してください。ただし、別のちゃんとしたブロッカーが手元に届く前に、今飲んでいるピルを突然やめると男性化リバウンドが起こるので、代替品を用意してから切り替えてください。
結合型エストロゲン (プレマリン 等)
Section titled “結合型エストロゲン (プレマリン 等)”メドロキシプロゲステロン酢酸エステル (MPA / プロベラ 等)
Section titled “メドロキシプロゲステロン酢酸エステル (MPA / プロベラ 等)”もし今あなたが MPA (プロベラ等) を飲んでいるなら
Section titled “もし今あなたが MPA (プロベラ等) を飲んでいるなら”今すぐ処方医に文句を言って、バイオアイデンティカル微粉化プロゲステロン (ウトロゲスタン 等) の処方に変えさせてください。薬を変えたところであなたの「女性化のスピードや胸の発育」が失われることは1ミリもなく、それでいて「乳がんや血栓による突然死」のリスクを劇的に下げることができます。
家畜用・動物用ホルモン剤
Section titled “家畜用・動物用ホルモン剤”規制外の自家製 (DIY・ホームブリュー) 注射液
Section titled “規制外の自家製 (DIY・ホームブリュー) 注射液”DIYしか絶対に道がない、絶望的な状況での「安全な妥協点」:
Section titled “DIYしか絶対に道がない、絶望的な状況での「安全な妥協点」:”もしあなたの住んでいる国の政府の弾圧的な法律や、金銭的な絶対的貧困が、合法的なHRTへのアクセスを完全に断ち切っている場合、決して「キッチンの鍋で作られた自家製オイル注射」や「馬の発情剤」に逃げてはいけません。
必ず「巨大な製薬会社の工場で完全に密閉・製造された、商業用の経口ピル(飲み薬)」(プロギノバ、エストロフェム、エストラーナテープなど)を、オオサカ堂などの比較的マシなグレーマーケットで購入することにとどめてください。密封された錠剤(飲み薬)は、素人が闇で不純物を混入させるのがはるかに難しく、出所のわからない謎のガラス瓶のオイル注射に比べて、「それが本物である」という真偽の確認が無限に容易だからです。
参考文献
- Canonico M et al. Hormone therapy and venous thromboembolism: an updated overview. Climacteric 2018.
- Vinogradova Y et al. Use of hormone replacement therapy and risk of venous thromboembolism. BMJ 2019.
- de Blok CJM et al. Amsterdam cohort 50-year follow-up. Lancet Diabetes Endocrinol 2021.
- Hembree WC et al. Endocrine Treatment of Gender-Dysphoric/Gender-Incongruent Persons. J Clin Endocrinol Metab 2017;102(11):3869-3903. DOI:10.1210/jc.2017-01658
- Coleman E et al. Standards of Care for the Health of Transgender and Gender Diverse People, Version 8. Int J Transgend Health 2022;23(S1):S1-S259. DOI:10.1080/26895269.2022.2100644
- Misakian AL et al. Injectable Estradiol Monotherapy in Transgender Individuals. Endocrine Practice 2025.